maiko 25th anniversary album

Reminiscence


~回想~

たどり着いたのは温かな場所 そして旅路は続く

Reminiscenceについて

2024-09-01 maiko

1999年4月。
25年前の私がジャズに出会い、一大決心して上京した年。
あれから25年。

これまでに作ったアルバムはハイレゾ配信も含めて12枚。

ライブ活動を始めてから今日まで、ライブミュージシャンという軸はずっと変わらずあり、アルバムはその時代のライブと連動したものを作ってきました。
過去のアルバムを聞き返しても、その時代の自分を思い出すし、その頃のライブシーンが思い出されます。
たくさんのライブをやってきたし、たくさんのミュージシャンに出会い、共演してきました。
どの方ともご縁があり、頂いたもの、気付かされたことがたくさんあります。
その出会いによって、「私のジャズ」から「私の音楽」に変化してきました。

スタジオ録音のフルアルバムは2018年「Solo」以来。

この間にソロバイオリンライブを続けたことや、コロナ禍があったのも大きく、より自分の心と向き合ったり、対話することが多くなりました。
その中で、東京という街に育ててもらいながら25年、ここまでがんばったなと思えたことが一番大きく、そう思えた今、作品を残せるのではないかと思いました。
構想はここ2年ほど頭にあり、この4、5年で書き溜めたオリジナル曲の中から選んだ9曲が決まり、その時点でメンバーが決まりました。

レコーディングが決まり、日が近づくにつれて、不思議と胸がいっぱいになってきました。
それと同時に、私の原点は故郷神戸にあり、そこから始まったんだなと改めて感じたわけです。
始まった場所に思いを馳せながら作った作品です。

JJazz.Netでご紹介いただきました。


メンバー、スタジオ、エンジニアについて

二日間のレコーディング。
曲によって編成を変えたのは意外と初めてでしたが、初日はここ数年続けているマイトリオからと決めてました。

ピアノ伊藤志宏君。
初めてアルバムを一緒に録音したのが3rdアルバム「Voyager」。
そこからライブレコーディングも含めて何枚も一緒に作ってきました。
ライブに関してはもう数え切れないほど一緒にやってきましたし、いろんな場所で演奏してきました。
曲を書いて表現するということの影響を受けた人ですし、いつも音楽の息吹をくれる不動の存在です。
今回もデュオからカルテットまで私の音楽には志宏君のピアノあり、という音を残してくれました。

ベース伊東佑季ちゃん。
いろんな編成で共演しましたが、ベースとバイオリンのデュオを始めたのが転機かなと思います。
どんな編成、シチュエーションでも佑季ちゃんと一緒に演奏すると、不思議と開放される自分がいて、トリオに誘いました。
豊かなベースの音と熱のあるアプローチで音楽をいつも推進してくれる存在です。

トリオの次に、ボーカル、ボイス、ピアノの黒沢綾ちゃんとのレコーディング。
コロナ禍で連絡を取り合うことがあり、それを機にライブを始めることになり、一本一本を大切にあたためてきた綾ちゃんとの音楽。
今回はボイスとピアノ弾き語りとで参加してもらいました。
特にボイスの即興はインプロバイズとしての刺激をもらってます。
そして、共作した「ふと、」はピアノ弾き語りで一発同時録音しました。
綾ちゃんが紡いでくれた言葉を二人の空気感と共に聴いて頂けたら。

二日目は志宏君とのデュオから始まり、一馬さんの重ねからトリオ、デュオ、そして最後はソロで。

ギター藤本一馬さん。
いつか共演できたらなと思っていた一馬さんと共演が叶ったのは3年ほど前。
それからデュオやトリオをやってきましたが、知れば知るほど深まる一馬さんの音楽に驚かされます。
一馬さんの音が吹き込まれると豊かな音風景が目の前に広がるようで、それは一馬さん自身にその景色が見えてるからなんだろうなと思います。
今回はカルテット、タイトル曲のトリオ、そして一馬さんとのデュオ用に書いた曲と、アルバムのエッセンスになる曲を彩ってくれました。

録音スタジオは、5thアルバム「Donna Lee」を録音した奥沢のパストラルサウンド。
他のレコーディングでもお邪魔している馴染みのあるスタジオです。

録音エンジニアは、初めてお願いしたCM Punch葛巻善郎さん。
葛巻さんが録音された作品は何枚も聴かせて頂いていて、その生きている音に魅力を感じてお願いしました。
当日までに作品のイメージやいろいろとやり取りをさせて頂き、こちらに寄り添って下さる気持ちに感銘を受けました。
当日、スタジオに行ってみると見たことのないたくさんのマイクが立てられていて驚き、録り音を聴いて驚かされました。(バイオリンは全部で9本のマイクで録ったそうです。)
今作品は間違いなく、葛巻さんが命を吹き込んで下さったなと思います。

ミックス、マスタリングエンジニアは、ピッコロオーディオワークス松下真也さん。
松下さんは、3rdアルバム「Voyager」の時に録音エンジニアとして携わって下さいましたが、その時から大好きなエンジニアさんです。
今回は、葛巻さんの録って下さった音を引き継ぎ、またそこに松下さんがこの作品の解釈を加えて広げて下さいました。
曲ごとに音像を変えていますが、全体のイメージがまとまったのは松下さんのお陰です。

◆スタッフクレジット
Produced by maiko
Recorded at Pastoral Sound, in June 11, 12, 2024
Recorded by Yoshiro Kuzumaki [Studio CMpunch]
Recording assistant: Hidetomo Oshima [Studio CMpunch]
Mixed & Mastered by Shinya Matsushita [Piccolo Audio Works]
Artwork: Kumeemon [Music Office GEN]
Label Producer: Tsuyoshi Kinoe [GardenNotes Music]


オン・オフ・アンビエント、9本のマイクを立てて




レコーディングエンジニアの葛巻さん


収録曲について

◆収録曲は以下の9曲です。
01.Mirage / maiko
maiko / vln, 藤本一馬 / g, 伊藤志宏 / pf, 伊東佑季 / b
02.Windmill / maiko
maiko / vln, 伊藤志宏 / pf, 黒沢綾 / voice
03.Migratory Bird / maiko
maiko / vln, 伊藤志宏 / pf, 伊東佑季 / b
04.ふと、 / maiko、黒沢綾 詞:黒沢綾
maiko / vln, 黒沢綾 / vo, pf
05.Rotating Sphere / maiko
maiko / vln, 藤本一馬 / g
06.Reminiscence / maiko
maiko / vln, 藤本一馬 / g, 伊藤志宏 / pf
07.遠い記憶 / maiko
maiko / vln, 伊藤志宏 / pf
08.Far away / maiko
maiko / vln, 伊藤志宏 / pf, 伊東佑季 / b
09.kiteki / maiko
maiko / solo violin

「ふと、」は綾ちゃんとの共作、あとはすべて私のオリジナル曲です。

◆収録曲について
Mirage
イントロのパターンから作った曲。
蜃気楼のもやっとした感じ、温度感、質感を表現したくて書いた曲。
バイオリン、ピアノ、ベースのトリオ+ギターの重ねで録音しました。

Windmill
持続的に回っているものと風をイメージした曲。
最終的には風車というより、風力発電のイメージに。
バイオリン、ピアノ、ボイスで録音。

Migratory Bird
志宏君、佑季ちゃんのトリオ用に書いた曲。
志宏君の楽曲「啼く鳥を探して」にインスパイアされてできました。
ライブでの展開がある一曲なので、ライブ感溢れるテイクになりました。

ふと、
綾ちゃんと共作した曲。
先に私が曲のおおよそを書き、後に綾ちゃんが詩を書いてくれました。
綾ちゃんと始まった5月から季節と共に進んでいく様子が描かれています。

Roatating Sphere
一馬さんとのデュオ用に書いた曲。
一馬さんの楽曲「Particle Dance」にインスパイアされて書きました。
二つの異なるフレーズが同時に鳴り、円が回っているイメージ。
アルバムのバージョンでは、一馬さんがギターを何本か重ねてくれたことで、より立体感が出ました。

Reminiscence
上京20年目を迎えた時に書いた曲。
長い年月の様々な出来事を思い返しながら、また最後は明日への気持ちを込めて。

遠い記憶
遠い昔の記憶を手繰り寄せているイメージ。
志宏君とのデュオは阿吽の呼吸で、揺らぎのある間合いで録音しました。

Far away
遠くにあるものに思いを馳せながら。

kiteki
元々はソロバイオリンライブの即興の中で生まれたモチーフを膨らませた曲。
船の汽笛の音は私の記憶の中にあり、故郷への思いと共に、レコーディングの最後に録音した曲です。

プロモーションビデオ第一弾


maikoトリオ 伊藤志宏君と伊東佑季ちゃん


ギタリスト藤本一馬さん


ボーカル・ボイス・ピアノの黒沢綾ちゃん


アルバムジャケットについて

今まで頂いたたくさんのご縁に紡がれてたどり着いたのは、とても温かい場所でした。
その始まりは故郷であり、いつも胸にある風景です。
これらは録音後に改めて感じたことでもあり、それをパッケージとしても表現したいと思いました。

山と海に囲まれた、坂のある街。
私の原風景です。

プロモーションビデオ、ジャケット編


リリースに寄せて

今作品は、私の胸の中に大事にしまい込んでいたものを表現した、パーソナルな作品になりました。 より内に向いたものになっていますが、後ろ向きなものではなく、俯瞰して振り返っているような気持ちです。 共有して頂けたら幸せに思います。

maiko / バイオリン
Reminiscence / maiko
2024年9月18日リリース
品番:GNM-1026
9曲:49分(紙ジャケット仕様)
価格:3,000円(税込)
制作元:音楽事務所 弦
発売元:GardenNotes Music
販売元:Ratspack Records

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データ配信はSpotify・Apple Music・LINE MUSIC等主要サイトより配信。
こちらに配信リンク先をまとめてございます。

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◆リリースライブ・ツアーの日程はこちら


Photo by Karen Aoki